文化体験

東に大台ケ原山地、西に世界遺産の大峯奥駈道を有する大峯山脈に挟まれた、大自然豊かな上北山村で生きる人々は、この自然の恵みをいただき、文化を育み、生活をしてきました。

その代表とされる郷土食「柿の葉寿司」は、山深い地域だからこそ生まれた逸品。熊野から届いた塩鯖を薄くそいで大きく握った白飯に乗せ、どの家にも植えられていた渋柿の葉を使って巻いた保存食です。ほか栃餅やジビエなど、いまも伝わる昔ながらの暮らしの知恵を体験することができます。

カスタムツアーアイデア

柿の葉寿司づくり体験

塩でしめ薄くそいだ鯖の切り身を一口大のすし飯に乗せ、柿の葉で包む。
柿の葉寿司とは、奈良南部地域に伝わる保存食です。

海のある熊野から、この地域を経て、吉野・橿原をつなぐ「東熊野街道」は、別名「鯖街道」と呼ばれ、熊野で水揚げされ、浜塩(魚の腹に大量の塩を詰め込む保存法)を施した塩鯖が、それぞれの地域に届けられていました。
当初は、酢を使わず、大きく握った白飯にうすくそいだ鯖を乗せ、どこの家にも植えられていた渋柿の葉で包み、木箱の中で1カ月ほど発酵させたものだったそうです。
体験では、村では有名な「ゐざさ寿司」の熟練の職人さんに、作り方を教えていただきます。

時間:約40分

坐禅と「栃餅ぜんざい」

心を無にして座る修行、座禅。
お釈迦さまが坐禅の修行に精進され、悟り開かれたことに由来します。静寂な本堂の中で、物事の真実の姿・あり方を見極めて、これに正しく対応していく心の働きを調えます。
景徳寺では、宗派の曹洞宗の坐禅の作法を踏まえつつ、修行されてきたご住職オリジナルの坐禅の手ほどきを受けられます。最初に、足の組み方や姿勢、呼吸の仕方など作法を教えていただいたあと、30分ほど、坐禅を行います。

坐禅のあとには、村の特産品である「栃餅」が入ったぜんざいで一息をつきます。自生した栃の木があるこの村では、昔から栃餅が作られてきました。栃の実は、そのままでは渋くて食べられず、木灰汁(もくあく)でアク抜きをしますが、下処理に1か月半~2か月かかる、非常に手間のかかる作業です。ていねいに下ごしらえをした栃の実を餅米と一緒に蒸し、搗くことで、口の中でほわっと苦みを感じる美味しい栃餅になります。

時間:約90分(坐禅は45分)